#17 日本の超長期人口推移の俯瞰
はじめに
日本の人口は今後急激に減少する。この流れは止めることができず、この先も数百年間減り続ける。人口が数百万人、数十万人になったとき、行きつく先は「世界3位の経済大国」から「東アジアの小国」になる見込みである。
しかし、世の中では「人口が減るなら生産性を上げて乗り切ればよい」「移民を大量に入れてまで人口を維持する必要があるのか?」といった声も多く、人口減少に対する危機感が広く浸透しているとは言い難い状況である。その原因の1つとして、人口減少という現象は今日明日の問題ではなく、長期的に静かに進むため、危機感に気が付きにくいという特性があるためであろう。
もう1つは、いま生きている人々は人口が1億人を超えてから生まれているため、人口が1億人を切る、数千万人、1千万人を切るということが実感を持って想像ができないことも大きな原因であろう。これは当然体験したことがないため、誰にとっても無理からぬことではある。 本稿では、過去から将来にわたる人口変動の大きな流れと、その示唆する政策的・社会的課題を広く共有し、議論を促すことを意図して文章を作成した。いかに今後日本の人口が急激に減っていくのか、危機感を持つ方が増えれば幸いである。
超長期の人口推移
1192年に名実ともに鎌倉幕府が成立してから2500年までの人口推移を俯瞰するため、複数の統計データを統合して超長期の人口グラフを作成した。データのない区間は視覚的な連続性のため線でつないでいるが、本図はあくまで「長期の流れ」を把握するための概観であり、細部の数値精度は無視していただきたい。

グラフの特徴と要点
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監修:一般社団法人人口減少対策総合研究所理事長 河合雅司
執筆協力:株式会社Revitalize取締役兼CBO 増山達也・CFO 木村悦久、小村乃子

